7.消費者教育について  07.1.

  消費者教育の一環として市民と専門家とのコミユニケ
ーションを図る   

  消費者問題として、悪徳業者からどう身を守るか、賢
い消費者になるには、といった観点で論議が花ざかりで
ある。ここに、専門家をも巻き込んで論議すべしとして意
見を述べることにする。  

  「消費者は賢くなるべし。」 確かにその通りであるが、
「生産者よ、消費者側の視点をしっかり持つべし」というこ
との方が急務のように思える。この点があいまいだから、
消費に関する種々の問題が本質を(あまり)論議すること
なく生産者側の不祥事とかいうことで片付けられている嫌
いがあるのではなかろうか。特に、この傾向は高度な技
術をともなった場合には多いように見える。

  例えば、耐震偽装事件のときにも(一部に)そうした捉え
方があり、問題の論議の際に「消費者の意識向上をどう
していくか」というように、消費者にも大きな責任があるか
のような論評も出る始末であった。(真に憂いておられる
方も多いが。) もちろん、企業の社会的責任として企業
コンプライアンスはようやく叫ばれるようにはなってきてい
るが、そのようなことをいうまでもなく(消費者も 含めて)市
民側の視点があれば、妙な理屈付けまでは必要なしとい
いたい。加えれば、市民と(生産者をも含めた)専門家との
コミユニケーションが十分ではなかったことに問題がある
といえる。

   従って、この種の問題の解決には、当然、専門家をど
う市民サイドに向けさせるかがポイントとなる。ここでは、
以下に三点 を方策として列挙することにする。

 (1)専門家にしっかりとした市民ベースの視点を持って
もらうようにする。(心有る専門家は多いので、働きかけ
ひとつが重要と考える)

 (2)市民のニーズは単に欲しいものといったものだけで
捉えるのではなく、真に信頼できる人が介在することが付
帯条件であることを専門家側に理解していただく。

 (3)専門家がかくなる視点を持つよう働きかけが出来る
よう市民サイドがポテンシャルアップする。そうした観点
で世論を形成する。

    以上のことを実践するには、第一に討議や働きかけ
の場を作っていくこと、第二に(専門家といっても多岐にわ
たるが)こうした観点に賛同する専門家をも(若干)取り込
むことを考えたい。これをもって、消費者問題が奥深く解決
に向けて進むものと思っている。

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