5.子育て支援について  06.5

  子育てが安心してできるよう、津々浦々から議論がな
されている。子育てを社会的な問題や経済的な問題として
論議していくことは当然である。ここで私は、多少建築的
な視点から家庭形成のための大事な行為が子育てであ
ることを主張したく、筆をとることにした。

  「子育て支援」について、家庭の働き手の問題や経済的
な問題は別にして、もっと人間関係の中で考えてみること
にして、私の三つの思いを記す。

 (1)、子と親の育子環境をどうするか。
 (2)、青少年の健全な育成を子育ての次元からどう積み
  上 げるのか。
 (3)、子育てを終えた方や子育て真最中の大人自身が子
  育 て支援の理解をどう深めていくのか。

  これらの思いは何の事はない、子育て支援を子育ての枠
を越えて「大人の問題として捉えてみては」という問題提起
そのものである。もちろん、「大人の健全な精神が如何に子
育てに必要か」といったことはこれまでも指摘されてはいるが、
子供の成長・発達過程との関連でアプローチしたものは少な
い。

 そこで私は、子供の感性を子供と親が一緒になって育むこ
とが精神的満足を追及した子育て支援のひとつと考えた。そし
て、私は成長発達過程の根幹の一つとして「子供の感性を如
何に育んでいくのか」を問題にして、これまで、子供の造形教
室(2000, 2001)や母親のための造形教室(2003)を主宰し実践
してきた。

  しかしながら、こうした感性の育成にも親と子供の住まい
環境の健全さが必要条件となっていることはいうまでもない
が、(感性育成の)周辺環境の整備はお粗末極まりなく不十
分なように見える。確かにこうした意味で議論花盛りであ
る「子供の居場所の問題」が問題を解決するかのように思わ
れるが、居場所そのものがセンス育成環境そのものではない
ことに加えて、居場所という特定の空間が限定されるのは
子供と大人の交流がそこなわれることにもつながる。それで
も居場所というならば、家の中や地域の中で特別に居場所を
つくるのではなく、家も街もすべてが居場所となるようにする
べきである。こうした趣旨のアプローチがぜひとも欲しいもの
である。

 私は、これまで市民・子供教育に関する学術的なある委員
会に委員として参加し、子供環境の整備について研究すると
ともに、こども学会(子供環境を問題にする専門の学会)にも
会員として参加して、保育士や子育て関係のNPOの方々と具
体的な実践を討議してきた。その結果、やるべきことは、日々
多忙の生活において感性をキーワードにして大人自身の子
供時代の感性を呼び戻しながらの実践活動の展開であるこ
とを確信した。

 ps注:造形教室は、富山県民カレッジの自遊塾というシステム
のなかで実施したものであり、月2回の頻度で年6回、各回は
2時間ほどで、メニューは、写真コラージュや軸木造形、和紙
による照明器作成などである。

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