5.子育て支援と少子化について 09.07
(人間性の醸成からはじめる子育て09.07.17)
子育ては大人の責任。まずは大人が人間性を保持すること。異性
と出会い、子供を愛しみ、といった人間本来の行動がないがしろに
されそうな現代技術文明社会だからこそ、こうした問題に対し声を
大にしたくなった。
働く女性が子育てしやすいように、社会全体がどう取り組むかは大
事な問題である。これについては他の専門のお方に任せて、私は、
我らの生活の営みをもっと健全にすべしとして当該問題をアプロー
チしたい。
少子化問題を見ると、結婚して出産する方は概ね二人程度と安定し
ているにもかかわらず、一方では結婚しない男女の比率が極めて高
い。これを何と見るか。結婚よりも自由が追求されるべきという声
が聞こえてくるが、そうではない。今日的社会のありようが問われ
ているといいたい。理由は二つ。一つには、結婚して良い家庭をつ
くり子供を育むといった本来の人間性を奪っているではないのだろ
うか。二つには、今の世の中、そこそこ働ければ生活でき、人と交
わらなくても生活できるといった風潮が人間の絆という大事なもの
をも失わせているのではないだろうか。つきつめれば、今日的な人
間性の問題である。
確かに、昔は家庭を持って協力しないと食っていけないという(物質
的に満たされていない)状況であった。それが今、社会が豊かになっ
た。しかし、その豊かさが物質的面にのみ特化されてもてはやされ、
最も大事な人間性の本質について少しも議論してこなかったといっ
ても過言ではない。今の時代だからこそ、人間性は、絆は、人間の
信頼は、などなど、本当に求められる新しいパラダイムが必要とな
っている。
私はこうした観点で、一番の問題を子育てに絞り、大人が子育てを
通して人間性を育んでいくといったことを世の中がもっともっと実
感するとともに、そうした実践が社会に定着して大きな世論を喚起
すると思っている。
では具体的にどうする?といわれたら、各自、人間性をホットにす
るしかないと言いたい。以下の二点について、取り組みたいと思っ
ている。
1.交流は交じり合うこと、語り合あうこと。
異業種交流だの異年齢交流だのいわれているが、(情報交換や親睦と
いうことではなく、もっと身近に交流という意味で)そんなにしゃち
こばらなくても、ごく普通に職場で、地域で、それこそご近所さん
どおしで語り合えばいいのに、といつも思っている。そこではいき
なりお互いの理解ではなく、(もっと身近に)語り合うことが一番
であり、さすれば人間性の語りが生まれてこよう。
2.生活観漂う教育。生活を楽しむ。
特に大事にしたいのは、初等中等教育において、もっと生活感が漂
う教材やシチュエーションで人間性を前面に押し出した教育をして
いただきたいものである。その意味で、皆さんで、もっと生活を楽
しもうよ、といったことが津々浦々でにじみ出てくるように、各自
心がけるとともに、関係するシステムもまた人間性をより押し出し
て欲しいものである。街や家の中に、そんな雰囲気が醸成されるこ
とこそ皆さんで知恵を絞りたいものである。
本アプローチは経済的政策と両輪の関係にあると思っている。今、
この種の観点をすすめていきたいものである。愛、信頼、命など健
全な生活から育んでいきたいものである。
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