はじめに

 最近、「これについてどう思いますか、あれについては」など、
問いかけられることが多くなってきた。よろず何でも考えること
が好きなものだから、専門外だろうが何だろうが、大いに語り
まくっている。落語家のようにお客から題をいただいて小話を
即興で作るほどではないにしても、こうした語り合いは、私に
とってとても楽しく、いまでは小話家のような気分になることも
しばしばである。もともとは「建築は人づくり」という観点を持っ
ていたものだから、どこへでも出かけては、人づくりの観点で
語り合いを楽しんでいる。そして今、皆様方とも語りあいたくな
り、ここに筆をとることにした。 実際に問いかけいただいた問
題は次の通りである。

 ●自然と文化系;「自然環境保護と育成」、「文化としての祭り」
 「雪の文化の意義」、「文化財保護と文化育成」
●生活系;「子育て支援」、「男女共同参画」、「消費者教育」
 ●教育系;「地元大学に望む」、「これからの美術館」
●社会系;「景観について」、「公共事業について」

 これらの11個の問題は、すべてわれらの生活の営みを多面
的にどう育んでいくかという問題そのものであり、いってみれば
生活と文化の範疇そのものである。上に記した問題ごとに、私
なりに(ささやかながら)出来る範囲のアプローチで迫ってみたく、
ここに語ることにした。お付き合いいただければ幸いに存じます。 

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