文化と芸術分野との連携についての意見
                                 10.12.25

 富山県が策定している文化振興プランの改定に際して、文化をもっと
身近にするには、という観点で意見を求められました。2010.6


振興プラン改定にあたり、問題は県民にとって文化をどう関係付けるかということに
限っていえば、論議する視点をもっと多様にしかも身近な生活の中にもたせるべきかと
思います。この観点で、意見を申し上げます。

文化に関しては無関心が横行している一般にいわれておりますが、これは県民の方々が
文化を身近に感じるような方法がなかったことによるのではないかと思います。特に
今、現代技術文明が発展してきている中で、人は文化とどうかかわりあうべきか、さら
に我らの住んでいるコミュニティをどうするかという話にもつながっていきます。

私は、文化の鑑賞チャンスを増やすということは当然のことだと思いますが、それとと
もに文化の素養を磨くという視点を確たるものにしておきたいものです。と申しますの
も、高度技術文明社会における文明の中で文化が育まれていないばかりか、文化が文明
を避けているかのようにもみえ、結局のところ、文化が今日的な世界と遊離させられて
いるという風潮が作り出されているのではと思うからです。

私は、日頃の生活を精神的にも醸成することができれば、案外解決が早いように思いま
す。特に、解決策のひとつとして、ものづくりデザインに期待を寄せております。もち
ろん、種々の解決方法がありますし、デザインがすべて解決策になるともいいませんが、
生活におけるものづくりとしてのデザインが、技術と文化の連携を結果的に図っていく
と思っております。

次に、将来を担う子どもをどのように育てていくのかを考えます。これは、子供にい
ろいろな素養を身につけさせることになります。しかも、子ども教育は当然のことで
いうにおよびませんが、もっとも大事なのは大人がこうしたことを理解するように変
わらなければならないということです。私は遊びということがとても大事だと思いま
す。文化芸術というところの一歩前に、大人と子どもが一緒になって遊ぶことから始
めて、遊びから学び、学びから文化へという、そういう発展的なことをもつと考えて
いくべきでしょう。子供がアートミュージアムなどへ行って何かをするというのでは
なく、結局は各家庭で恒常的に子供の素養を磨かなければいけないのだろうと思います。

地域の問題にもふれてみます。家庭の話を地域全体にアップさせて、地域において皆
さんの豊かな感性というか素養で地域生活を幅広く楽しむことができれば、おのずと
そこには文化の香りが漂うはずであると思っています。そして、地域において皆さんが
寄り集まれば文化性がにじみ出てくるようなコミュニケーションの場があれば、これが
文化の拠点になるのではないかとも思っています。

私は、そんな視点をもとに種々の分野との連携を図れれば、解決は早いと思っております。


<戻る>