文化に関して今一番必要な連携とは
 0912.25

他分野との文化的な連携について:
文化関係者から 文化振興を他の分野との連携により図ることについて意見を求められた。
  (ここでいう文化振興は文化財というかなり狭い意味のもの)

 他分野との連携とあるのですけれども、他分野となりますと、美術・工芸関係、
文学関係、音楽関係などという話になるのは当然であり、そのとおりと思うので
すが、実はもっと大事なのはエンジニアの分野について何か巻き込んでいけない
かということです。私は建築ですけれども、(手前味噌ですが)建築文化がどう
あるべきか、社会はどうあるべきかということをいつも考えています。一方、エ
ンジニアの方、例えばロボット技術者は社会参画としてこんなのがいい、IT技術
者があんなことをしたらいいというように、彼らは独自にいろんなことを考えて
世に製品を送り出していますが、(残念なことに)文化といったような次元での
整合性が(あまり)取れていないように思います。

 私は、子供関係の学会の集まり(展示会)があったときにロボット技術者と以
下のようなやり取りをしました。彼は、その場に「友達のいない一人ぼっちの君へ。
AIBO君と遊ぼう」とういうようなパンフレットをもってAIBO君のようなロボットを
出品しておりました。当然のことながら、子供たちは誰も見向きもしませんでした。
ですけれども、私が「それではダメ、なぜをもっと考えたら」と言ったら、彼はち
ょっと考えて細長い風船を(借りてきて)aibo君の首に巻きつけみたところ、急に子
供たちがよってきて、場が盛り上がりました。エンジニアの視点が狭いという訳では
ないのですけれども、彼らに文化性や人間性をもっと考えていただかないと、と思う
しだいです。文化関係の方が「文化はかくあるべし、世の中はこうだ」といくら言っ
ても両者がぜんぜん噛み合わず、そのうち便利さと効率優先の技術がわっと押し寄せ
てくることにもなりかねません。それはそれで経済活動の活発化としてはいいのでし
ょうけれども、皆さんで文化をつくるということになれば、彼らにも文化論議の視点
を持っていただきたいものです。(そういった意味での連携をふと思いました。)




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