食育推進についての意見
                                 

 富山県が食育推進プランを策定中とか。
これについて意見を持っていたのでここに述べる。2011.9


 食の問題について、健康の面や教育・文化の面からその重要性が指摘され、
種々改善の方策が講じられている。最近は、社会に閉塞感が漂うのも、しっか
りとした食生活が営まれていないからといった指摘もある。

そうした議論の背景には、周知のようにしっかりとした生活の営むことが出来
難くなっているようにみえ、これが食の簡素化を生み出し、ひいては家庭のコ
ミユニテイをも希薄にしつつあるようにも思える。例えば、食事時間の短縮、イ
ンスタント食品の氾濫、緑もの野菜の敬遠、皮むき作業を伴う果物の敬遠、など、
確かに知らず知らずのうちに食の簡素化が進んでいる。もうひとつの例として、
「何で全員で食さないといけないのか」とか、「家庭料理の暖かさはコンビニの
電子レンジでも同じ暖かさだ」、といったコミュニティ軽視の声が一部とはいえ
若年層に横たわっている。

では、そのようなものの根源は何か。家庭食生活の簡素化やコミュニティ軽視の
根源は今の効率優先社会に根ざしているものである。そして「食」が手間をかけ
ないし時間もかけないことにより生ずる殺伐としたコミュニティに慣らされてし
まった結果が今日の事態を招いたといっても過言ではなかろう。

ではどうするのか。多くの方はもちろん問題点をしっかりと把握しているのであ
るが、その次がなかなか踏み出せないでいる。これは理屈で追いかけ過ぎの結果
の現われと見ている。改善は理屈ではなく、人間らしいごく自然体で向き合う姿
勢が大事である。特に、大人の行動が大変重要であり、大人が子供に対して背中
をみせればいいのではないかと。まず当たり前のことを確認したい。

次に、家庭コミユニテイそのものの構築に向けて、まちづくりや地域づくりとい
うコミユニテイづくりを追い風として、地域環境を作っていきたいものである。
これは、もちろん効率優先社会に対して、手間をかけ時間もかけるといったこと
から始めるコミュニティづくりともいえる。

以上まとめてみると、我らは、間に合わせ的な「食」をはいして、じっくりと食
する習慣を作り、これでもって家庭における「きずな」を強くし、またコミユニ
テイをよりよい方向に築くことができよう。そのような観点で、皆さんとともに
知恵を出し合いながら幅広いコミユニケーションにより自信を持つことから始め
たいものである。あたり前のことがあたり前になることを望んでやまない。


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