◆◆ 第三高校、第八高校の寮歌 ◆◆   当時の学生気質をうかがい知ることができる。 ■ 琵琶湖周航の歌 われは湖の子           大正七年第三高等学校 1、われは湖の子さすらひの   旅にしあればしみじみと   昇る狭霧やさざなみの   志賀の都よいざさらば 2、松は緑に砂白き   雄松が里の乙女子は   赤い椿の森蔭に   はかない戀に泣くとかや 3、波のまにまに漂へば   赤い泊火なつかしみ   行方定めぬ波枕   今日は今津か長濱か ■ 第八高等学校寮歌伊吹おろし (前口上) 富貴名門の子女に恋するを、純情の恋と誰が言う。 路頭にさまよえる女に恋するを、不浄の恋と誰が言う。 泣いて笑って月下の酒場にて媚を売る女の中にも、睡蓮のごとき純情あり。 酒は飲むべし百薬の長、女は抱くべし陶酔の境。 女の膝枕にて快楽の一夜を過さば、人生夢もありなばまた恋もありなむ。 風吹かば吹け、雨降らば降れ。いざ行かんかな若き男の子よ。 暗鬼凄めく混乱の巷、いざ高らかに歌わんかな、第8高等学校寮歌、伊吹おろし、 1,2,3(アイン、ツバイ、ドライ) 1.伊吹おろしの 雪消えて 木曽の流れに ささやけば 光に満てる 国原の 春永劫に 薫るかな 2.夕陽あふれて 草萌ゆる  瑞穂ヶ丘に たたずめば   こぼれ地に咲く 花菜にも  うら若き子は 涙する 3.見よソロモンの 栄耀も   野の白百合に しかざるを   路傍の花に ゆき暮れて   はてなき夢の 姿かな