学園便り2009.11**************************

   「 文化および文化財をもっと身近にするには 」     



 食欲の秋、スポーツの秋、勉学の秋、文化の秋、秋はまっ盛りです。 秋の
しんがりをつとめるのが文化といったところでしょうか。我ら、 文化とはど
のように向き合っているのでしょうか、秋だからこそ考えてみましょう。

 文化とは何ですかと問われると、なかなか答えにくいものです。しかし、
ラーメンの好きな人(特にこだわる方)に「なぜラーメン(にこだわるの)です
か」と問いますと、「ラーメンは文化だからです」と答えが返ってきます。こ
のように、我らの生活のこだわりそのもの が文化であり精神活動そのものであ
るといったことなのでしょう。しゃちこばった文化の定義はさておき、実感はそ
うなのです。

 では、「文化財とは何ですか」と問いますと、先ほどのように 威勢のよい答
えは返ってきません。「あー、古いものですね。観光地 にあるもの」、しまい
に「関係ないや」といった調子となることもままあります。とはいっても、例え
ば神社仏閣の造形物をみて純粋に 「すごいなー」といった感動は我らにはあるは
ずですので、問題は「なぜ文化財が我らに縁遠いのか」にあります。

 ではどうすればいいのでしょうか。我らの身近において、さしずめ 文化財を介
した生活というものをもっと考えていくべきです。文化財 は一級品でなくても名
も無きものがたくさんあります。我らはそれに気づいていないだけです。そんな文
化財を意識しながらの生活は、文化の育成や擁護につながります。事実、ヨーロッ
パでも現存する 古い建物の街での生活そのものが文化の堪能と理解へとつながっ
ているといいます。

 以上のように考えれば、結局のところ、我らが積極的にゆとりを追求し物を大
事にするといったことに尽きるかと思います。「なーん だ、それでいいのか」と
いわれがちですが、それで十分なのです。 これが、生活のゆとりを実感し、文化を
理解し、堪能することになります。我ら、そうしたことを心がけて日常生活を営ん
でいきたいものです。



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