学園便り 2008.07 **********************

勉強にも人との出会いが不可欠!!             富樫豊     

   皆さんは、専門を通して社会の営みに参画するために専門の勉強に頑張
っておられますが、その勉強の過程の中でいくら知識を修得しても知識の社
会的活用がなければ無意味であることを痛切に感じていることでしょう。その
意味で皆さんは「専門教育を通じての人間教育」の勉強が真の勉強であるこ
とを大なり小なり自覚されています。

  ではそんな自覚のもとで、勉強をどのように進めていくのでしょうか。ちょっと
理屈っぽくなりますが、勉強の社会性ということになれば、人とのかかわりは
避けて通れません。そんな中での勉強となれば、人との出会いのもとで勉強
がより一層意味を持つことになり、学校はもちろんのこと皆さんの周りの社会
がまさにそのスペースとなります。そこでは、人とのつながりが勉強であるとい
うことが思い当るかと思います。

  ここで、人との出会いを私の趣味を例にしてみていきましょう。私は囲碁が
好きでよくたしなんでいます(五目並べとおもって気楽に読み進んでください)。
(どんなものでもそうでしょうが)囲碁というものは習いたてのときも面白く、ま
た上達するにつれて面白さが増していくものです。しかし、ただ闇雲に毎日た
しなんでいても上達するものではありません。

   上達の秘訣には3つの条件があります。すなわち、勉強における人との出
会いには次の三つがあります。
     (1)良き師にめぐりあうこと、
      (2)良きライバルにめぐりあうこと、
    (3)良き本にめぐりあうこと。

    囲碁で良い手筋(よい手)は、自分だけで単に時間をかけて考えていたの
では思い付きません。そんなとき、良き師のもとでよい手筋を見たり聞いたり
することが必要となります。よい手筋を熟知すれば、さらによい手筋を追究し
ていきたくなります。

   また良いライバルがいれば、互いに励みになります。そういえば、中学校
や高校のとき100メートル競争でみんなと競い合って走っていたことを思い出
してください。一人で黙々と走るのも結構ですが、競い合いは活力になってい
きます。

    では、良い本とはどんなことでしょう。客観的な分析として役立てる情報
データベースの活用といった即物的な効用はもちろんありますが、それより
も著者の生き様との出会いがあります。本を通して先人たちの人生観や哲
学観などをメッセージとしてしっかりと受け取ることになります。

    以上の話はなにも囲碁の世界だけに限らず、どんな世界でも同じです。
要は、前へ進むというパッション(情熱)をもって、よき出会いをものにしてくだ
さいということです。めぐりあいは、求めてはじめて意味のあるものであり、す
れちがいではありません。野球でいうと好球必打であり、好球の見逃しでは
ありません。良い出会いをしっかりとものにしていってください。皆さん、この
夏にも良い出会いを!!  


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