学園便り 2005.7.***********************

  「スケッチをはじめません か」   富樫豊

 皆さん、これから夏休みを迎え ようとしております。勉学に励むのも良し、旅行
に出かけるのも良し、仕事に打ち込むのも良し。とにかく充実した夏休みを過ご
してください。そんな皆さんの 夏休みに、私はスケッチすることをおすすめします。

  デザイン系の学生なら当然でしょうが、多くの学生にとってみれば、子供の場
合ならいざ知らず「今またな ぜ」と思われることでしょう。私は、何も丁寧にうまく
描いてといっているわけではありません。この世の中、感動することは多々あるか
とは思いますが、その 感動を「ほんまもん」にすることをどのくらい真剣に考えてい
ることでしょうか。割合、好球を見逃していることがあるのではないでしょうか。そう
でなくて も、今は情報過多の時代であり、感性や人間性が問われ続けております。そ
うしたときに、感動のひとつの表現として、紙に自分の想いを描くというスケッチを
 するのです。それは、もしかすると、丸や三角形や何やらの抽象的構成となるか
もしれませんし、自己流に描く風景かもしれません。そうした想いがじっくり時 間を
かけ、手を動かすことによって醸成される感性となるものです。描くことで手を動か
し、その手から頭のほうに感動が伝わってくるのです(本来は頭から手 へ)。で
も目で見れば十分という人がいるかもしれません。目でみればたちどころに頭の
中に光景が入り込むことも事実です。そんなときは、ただ漠然としてみ るだけのこ
とが多く、メリハリのない光景になり、最終的には見飽きてしまうといったことにな
ることでしょう。その点、スケッチでは描きながらのことですの で、自然とメリハリ
をつけてみていることになります。また、時間をかけて描くことにより、感動の雰囲
気が体にしみ込んでもきます。

  私はそんな体験を皆さん にしていただきたいから、スケッチをすすめるのです。
スケッチはカメラやビデオにとって代わられるものではありません。この夏休みに
一度トライしてみま しょう。ものの見方が変わることでしょう。もちろん、自己流で
も何でもありです。なお、スケッチの好きな方はどしどしやってください。


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