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  建築への招待

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<建築への招待として>

 皆さん、建築というものをどのようにイメージされておられますか。小さいとき
から絵が好きだという人は割合多いのですが、建築が好きだという人は あまり
 おられません。これは建築が絵とちがって分かりにくく取っつきにくということを
物語っております。とはいえ、それなりに皆さんは建築をイメージされておら れ
ます。そこで、どんなイメージですかと問いかけますと、建築は、すぐに屋根と壁
と天井と床があって...と、多くの方がいわれます。そんなとき、私は皆 さんに
すかさず「屋根や壁は建築の結果としてのものであり、建築はあくまでも空間で
ある」といっております。フランスの近代建築三巨匠の一人にル・コルビ ジェと
いう方がいらっしゃいました。彼は「建築とは人間の生活の営みの器である」と
いっておられます。そうです、建築は生活のより良き営みを器により実現 するも
のです。ですから、建築は人間生活と切っても切り離せない非常に大切なもの
であり、例えてみれば空気のようにあって当たりの存在であるともいえま す。

 次に、建築と人との関わりで建築を考えてみましょう。確かに我々は建物を建
てます。しかしどうでしょう。できあがった住宅や学校を考えてみます と、確か
 に建物により我々は育まれております。このように考えれば、、「人は建築をつ
くり、建築は人をつくる」ということがいえます。建築は文化の担い手といわれ る
のはまさにこうした理由からです。皆さん修学旅行で京都や奈良に行ったとき、
法隆寺や清水寺など建築物をみられたことと思いますが、古い建築を見て当時
 の文化を学んだでしょう。

 


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