富山地震防災研究会 20年度第1回セミナー 記録 題目:斜面深部の水 講師:fur氏(地盤研究) 日時:2020年10月27日(火)、18h-20h 場所:リモート(Zoom) 出席者:it、iwa、kaw、to、nak、hat、fur、hos、mat(j)、mat(e) 計10人 内容: (1)本日の内容  地すべりや斜面崩壊では深部の水が関与する。ここでは、水と滑りについてのメカニズムを紹介、国見地域での地すべりを中心として話題提供、とのこと。 (2)地滑り災害の基礎概要 ・要因:降水(大雨,融雪水)、地震動、開発行為 ・融雪水による地すべり:上越市の国川地すべり ・誘因:斜面深部の(傾斜)粘土層の上に水がたまり、地下水が上がる。 ・地中での水:水の動きやすさは透水係数で評価。10-7以下では不透水    例、地すべり土塊10mなら、透水係数10-7cm/sなら、流れるのに270日かかる。 ・水の流れは放射性同位元素を使って測定。 (3)国見地すべり(氷見)の事例 ・対策:水抜き、排水トンネル設置 ・横ボーリングしても水は抜けない ・地下において、流れる領域と流れない領域とがある。 (4)議論1:地すべり q.地すべり対策では、地中浸透を避けるために地表排水を促進させるのか。地山の保水能力との関係については。 q.地すべりについて、これ以上すべらない最終状態まで、すべらせてはどうか。そうでないと、いつまでも、対策工が必要となるのでは。 a.現実に土地利用があるので、そういうことはできないであろう。 q.斜面では古い水と新しい水がたまっている。どちらを抜くといいのか。 c.水を抜くとは大変なことですね。 q.地下水の年代測定の意義は。 (5)議論2:土地利用 ・利用には国民のコンセンサスがいる。 ・総人口とのバランスで防災の施策を。危険な所まで土地利用するかどうかが問題。 ・土砂災害防止法   広島豪雨災害がきっかけで制定   開発規制の推進を目的。   行政指導が困難が実状    例、危険域では土地価格減少ゆえ不動産関係者は危険域指定を外すよう要請 ・日本人の生活歴史も大いに関与。   水が必要だから山間部では谷に集落ができる。    先祖代々の土地は条件の良い所にある。分家の土地は条件が悪い所。 (6)議論3:行政の行動 ・ゼロメートル地帯、港の浚渫土を低地にいれるべし。 ・湧水地を住宅地にした。行政がこれを許可。県の委員会ではこれに反対した。 ・行政は各種から圧力を受けて行動している。 次回:11月25日(火)18時から19ないし20時まで、zoom    講師はmura氏、題目は未定だが地盤関係。